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□精神障害等級判定ガイドラインから見えるもの
〇「うつ病」などの精神障害についての認定基準は、「日常生活が著しい制限を受ける」のみ。
つまり、2級認定に当たっては「障害の状態の基本」である「活動の範囲は家屋内等」という記載のみ。
上記の点が、「知的障害」や「発達障害」とは異なっている。
「知的障害」や「発達障害」については、「就労」項目に「支援」や「配慮」などの記述があることと大き
な違い。
▶ 「うつ病」などの精神疾患は、「就労」については厳しい。(家屋内の活動だけである。)
障害年金には、厚生年金保険に加入中に、その病気ヤケガが原因で障害状態になった方が手続きする障害厚生年金保険と、生まれつきの障害(知的障害)や20歳前に生じた障害で手続きされる方、また、国民年金に加入中に初めて医師の診療を受けた方が手続きをされる「障害基礎年金」があります。この2つでは、少し、就労についての取扱いが異なるようにも思われまず。
〇 一般的な「労働能力」とは?
社会の仕事(労働)を「できる仕事」と「できない仕事」に分けた場合、「できない仕事が多くなるにつれて、「労働に制限がある」とされています。
労働に制限が有る(3級)⇒労働に著しい制限が有る(3級・2級) ⇒労働不能(2級・1級)
□ リモートワークなど働き方が多様化している現在において、
下記の基準が正解かどうかは不明です。
〇 厚生年金に加入して仕事をし、その後、休職したが、職場復
帰を果たす(休職前と同じ仕事)⇒労働に制限は無し
〇 厚生年金に加入して仕事をしていたが、ケガや病気で休職
し、職場復帰を果たしたものの、より軽度や労働条件(営業
からデスクワークなどの簡易作業に変更せざるを得なくなっ
た。⇒労働に制限がある。
○ 職場復帰はしたものの、障害の理由となった病気ヤケガで、
復帰前の労働条件や職務には復帰できず、短時間や障害者雇
用枠で働かざるを得なくなる。⇒労働に著しい制限がある。
○ 職場復帰できず、退職。または、休職が続いている。
⇒労働不能
□ 最近の事例(2021.5)
厚生年金保険加入中に精神疾患にり患し、休職。その後、休職中のまま障害厚生年金保険を申請しました。
この方(男性30代)の場合、休職期間中(1年後)に標準報酬月額が26万円から9.8万円に変更されてい
ました。もちろん、日常生活にも大いに支障があるとの医師の診断有り
⇒障害厚生年金2級支給
日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能を考慮の上、社会的な適応の程度によって判断するよう努める。また、現に仕事に従事している者については、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものとはとらえず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容。就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思の疎通の状況等を十分に確認したうえで日常生活能力を判断すること。
□ 精神の障害に係る等級ガイドラインの「就労」の項目
① 職場での上司や同僚とのコミュニケーションは取れている
か?
② 精神障害による出勤状況をきちんと見ます。
③ 職場での援助や配慮の状況(保護的な環境なのかどうか)
④ (知的・発達障害)その仕事の内容が専ら単純で反復的な仕
事であればその内容も判断の材料にします。
⑤ 臨機応変な対応ができるのか?
⑥ 障害者雇用や就労移行新事業などで働いている場合は、その
環境を配慮する。
など
□この男性の仕事内容(障害者雇用・短時間労働)
仕事内容 | 単純なPC入力(事業所のHP更新、数字の入力)しかし、いつまでその仕事を完成するのかという期限は設けられていない。 |
仕事場所 | 自宅 |
仕事時間 | 10:00~16:00(休憩1時間を含む) |
仕事する日 | 平日の週4日制 |
一か月間の収入 | 6~7万円 |
□ 上記の障害基礎年金の申請に必要だったこと。
① リモートワークの仕事内容を詳しく説明。(仕事に期限が無いことを力説)
② 仕事することによる日常生活に影響したこと。
③ 上記者は障害基礎年金再申請の1年2か月前に自らが手続きし、一人暮らしが原因で不該当決定を受けて
います。このことから、その当時よりも、日常生活がより困難となったことを医師に説明し、診断内容を
少し変えていただきました。
④ 日常生活の困難さは、整理整頓ができていない室内写真等で対応。(一人暮らしの困難さ)
⑤ 仕事上でのコミュニケーションが取れないことを力説(仕事の連絡はメールとチャットだけ)
とにかく、普通に診断書を作成依頼したり、「病歴・就労状況等申立書」を作成すると、不該当になったり、障害年金が止まったりします。(説明を加えてください。せっかく、障害年金の申請をされるのですから。)