〒673-0005 兵庫県明石市小久保1-13-12-102

JR西明石駅西口から徒歩6分 

お気軽にお問合せください

営業時間:9:00~18:00
定休日 :日曜日

お電話でのお問合せ・ご相談

078-945-6310

臨機応変な対人関係ができず、こだわりだらけの「自閉症スペクトラム」男性
 こだわりのためなら交通機関を利用して通う(神戸市 20歳)

■ 結果:障害基礎年金 2級

だって、小中学校時代の学業成績はトップクラスの優等生だった。 しかし、なぜか、出席はあまりしていなかった。 別に「いじめ」にあっていたわけではない。 「友達と会話ができなかったから」というのがその理由。 人の中に入って行けなかったという。

そんな彼も、兄同様、中学を卒業すると、隣接する神戸市の進学校に入学する。 人と会話をすることはほとんどなかったものの、地元では「頭がいい、優等生」だった。 しかし、進学の中に入ると、「普通以下」の生徒扱い。 「自己認識」と「自身の能力」が「現実」と大きく離れたしまい、自分自身を直視できない状態となった。

次第に高校から遠ざかるようになった。 そして、最大の目的だった学校への当然行けなくなった。 兄との差は、さらに、大きくなった。 行動までおかしくなった。 部屋の中に引きこもり母親に暴力をふるったり、家具や家財を壊すような問題行動が目立つようになる。 母親も、身の危険さえ感じた。

進級は何とかできた。 卒業もできた。 しかし、当然、次の大学受験でつまづいた。 もう一年頑張って、再受験しようという気持ちが無く、就職することもなく、家にひきこもる。 暴力もふるうなどの不適応行動が目立つようになった。

得意■ 20歳前の初診

平成27年6月(18歳)、母親が、彼の症状を親族に相談したところ、精神科を受診させた方がいいと忠告を受ける。 親族の紹介で医療機関を受診。 「発達障害(自閉症スペクトラム)」という病名を告げられる。

■ 自閉症スペクトラムとは 
 
〇臨機応変な対人関係が苦手で、こだわりが強く。
 
ご本人にお会いして、お話を伺うと、「多動性・不注意」など
 で、学生生活は大変だったということをよく聞きます。
 発達障害は境界線はないのかもしれません。 

臨機応変な対人関係が苦手で、②こだわりが強い。 ③空気が読めないなど発達障害の一種

 具体的には、

 ① 一人でいることを好み
 
② 受け身な態度の対人交流
 ③ 一方的な対人交流しかできない人

しかし、「できることをしっかりやって」、「できないことは無理せずにやらない」という考えの下で、その人に合った環境を整えれば大きな力を発揮し、普通の日常生活を送っている人もいます。 

わたしが、彼に会ったときは、確かに、視線を合わせず、質問にも、会話がかみ合わない。 笑顔が無い男性というか男の子。

自閉症スペクトラムで「精神障害者福祉手帳2級の交付も受けていた。進学も就職もできないため、障害者雇用に結びつけるために発足した「就労移行支援事業の支援施設」で平日、週3日程度の頻度でパソコンの訓練を受けている。 見た目は普通の男性だった。 現状は、できることがわかっていないため、社会人として、安定した仕事ができる状態とは思えなかった。

■ 障害年金について医師に相談 

▶対人交流ができないし、興味も限定的だし、生きづらいと思われ、社会に適応するには支援は必要。

 という診断だったため、障害年金請求用の診断書の作成はでき
 ると言われた。

■ 医師が作成した診断書の内容

医師が作成した障害年金申請用診断書の傷病名は「自閉症スペクトラム」。 対人関係が築けず、コミュニケーションが異常であるため、日常生活に支援が必要であると書かれたあった。

特徴的だったのは、こだわりが「バク転」と書かれてあった。

「自閉症」というと、外出もできず、部屋に閉じこもっているイメージだが、かれは、こだわりは「バク転」でした。 彼は、この「バク転」を練習するために、毎日のように、電車を利用して、ジムに通っているのです。 それも、そのジムは多くの子供たちも練習しているのです。 彼は、子供たちとは交流できるのかもしれません。 確かに、特異な対人交流です。 電車に乗るのは「人の目」を気にするかれには、あるいは、「自閉症スペクトラム」の人には大変だと思われますが、その大変さを超えての「こだわり」としてバク転の文字が書かれた有りました。 (毎日電車に乗れるというのは、障害年金申請にはマイナスだと思われます)

 

■ 病歴・就労状況等申立書で私が強調したこと

「自閉症スペクトラム」には、上に記した特性に続きがあります。 (以下)

① 対人交流とコミュニケーションの質が異常である。

② 著しく興味のあることが限定され、パターン化している。

 そこで、

1.社会性不適応 バク転を練習する子供たちとは交流でき
るが、一般社会の大人の中には入っていけないこと。

(視線を合わせない。 私の質問にはちぐはぐである点など)

  2.上記の②に書かれてある「著しく興味が限定されてい
   る」こと(バク転を強調)

   などを書きました。

● 彼は一人暮らしです。

その理由として、家族に対する暴力行為があるため、危険対応として「ひとり暮らし」をしています。 (この点については、「くぼんだ壁写真」などを障害年金申請時の添付しました)

一人暮らしは大変です。 食事も、インスタント類や、菓子パンなどで済ませている。 別居と言っても、母親が週に2回程度、掃除などの支援を受けています。 他人に関心が向かないようで、着衣も母親が買いそろえたものを着ています。

発達障害の障害年金についての認定基準

■ 発達障害の認定基準

 1)発達障害は、「注意欠如・多動性」、「自閉症スペクトラ
   ム症」と「学習障害」その他これに類する脳機能の障害で
   す。

 2)発達障害については、たとえ知能を指数が高くても社会行
   動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思
   疎通ができないために生活に著しい制限を受けることに着
   目して認定を行う。

   また、発達障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存
   し
ている場合は「加重」認定の取扱いは行わず、諸症状を総
   合的に判断する。
(自閉スペクトラム症、うつ病などを
   あわせて)

 3)知的障害を伴わない発達障害の症状により初めて受診し
   た日が20歳以降であった場合
には、その受診日
  を「初診日」とする。

 4)各等級に相当するとみられる認定基準 

障害の程度  障害の状態
1級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助をようするもの
2級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助を必要とするもの
(休み時間も、同僚と話しができないので、休み時間も苦痛です。このような場合、職場環境に適応できないため、パワハラなどの対象となり、それがストレスとなり、仕事が続かない。)
3級

発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題が見られるため、労働が著しい制限を受けるもの

 5)日常生活の判定にあたっては、身体的機能および精神的機
   能を考慮し、社会的な適応性の程度によって判断するよう
   に努める。

 6)就労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇
   用契約により一般就労している者にあっても、援助や配慮の
   もとで労働に従事している。

   したがって、労働に従事していることをもって、ただちに日
   常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事してい
   る者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事
   の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内
   容、他の従業員との意思疎通の 状況等を十分に確認した
   上で日常生活能力を判断する。

発達障害は「自閉症」という状況であるならば、障害年金の認定基準に達すると

『自閉症は「生きづらさ」のそのものだからと。』と障害年金の専門家に教えられたことがあります。

発生しやすい二次的な問題

自閉症スペクトラムの人たちは、成長途上で、生活環境から受けるさまざまなな心理的ストレスに対して反応を起こしやすいのが特徴だと言われています。 本来の自閉症スペクトラムの特徴ではなく、生活環境からの心理的ストレスによって二次的に生じてくること問題も多いのです
 

① いじめ被害 対人関係の調整が苦手、自己主張が強い、などの特徴はいじめを受けやすい。 空気を読めない
からいじめられると思われがちですが、自閉症スペクトラムの特徴が強くて全く空気を読めない人は、いじめら
れていることも気づかない。
 

② 不登校 学校へ行くことの意欲が何らかの理由で低下すると、不登校の状態になります。 学校へ行くことの
意欲の持ち方はさまざまですが、授業を受けたい、友達付き合いがしたい。 部活に参加したい、などが主要な動
機になりますが、これらの主要な動機のいずれかがほころびると登校意欲が低下します。 自閉症スペクトラムの
人たちはもっと些細なことでも、その意欲が低下します。
 

③ ひきこもり 不登校などが適切に対処されずにいると、引きこもりになる場合が多い。 家族ともコミュニケ
ーションがとれなくなります。
 

④ うつ自己評価の低下、意欲の低下、悲観的、集中力の低下、疲れやすい、睡眠の異常(昼夜逆転)などが出
現します。 中にはいきていてもしかたがない、死んでしまいたいといった「希死念慮」が見られる場合もあり
ます。 鬱になって意欲が低下するため、自閉症スペクトラム特有のこだわりすら目立たなくなる場合もありま
す。
 

⑤ 適応障害 明らかなストレスの要因があり、それを機に、情緒的に不安定な状態や抑うつ的な状態が続きま
す。 頭痛、吐き気、動悸などの身体症状が見られることもあります。
 

⑥ 被害者意識 ほかの人の気持ちや考えを推測することができないため、いろいろな誤解が生じます。 「自分z
は人からバカにされている」といった被害者意識が強くなる。

など、障害年金申請時に、「自閉症スペクトラム」でこのような「日常生活の困難さ」が生じていると思わ
れます。 そして社会から遠ざかっていくこともあります。

 ■ まとめ

発達障害は複雑です。単なる「自閉症スペクトラム」だけの特性では考えられない行動を起こします。

しかし、「できること」と「できないこと」を周囲が配慮すれば、通常の日常生活は送れます。それは「就労」についても言えます。

彼は、今、パソコンについての訓練を受けています。彼のように、対人交流が苦手な人にとっては、技術を身につければ、障害年金はもう不要ですと言える環境が作られる社会の必要性を感じます。それは、健常者にとっても「素晴らしい環境」のはずですから。

お問合せ・ご相談はこちら(メール)

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら

078-945-6310

営業時間:9:00~18:00
定休日:日曜日

お問合せ・ご相談

お電話でのお問合せはこちら

078-945-6310

■営業時間
9:00~18:00
■定休日
日曜日
営業エリア
神戸市・明石市を含む兵庫県内

アクセス

〒673-0005 兵庫県明石市小久保1-13-12-102
JR西明石駅西口から徒歩6分